Oracle が Ret Hat を買収する?

Sun Microsystems の Jonathan Schwartz はブログを書くCEOとして知られていました。ブログは、全世界の人々にSun のCEOとしての彼の考えを伝えるためのものでしたが、それだけではなく、自社の従業員を重要な読者として想定していました。当時 Sun はオープン・ソース・コード戦略に向けて大きく舵を切っている時期にあり、その船長の考え方を全世界の従業員に知らせることが非常に重要であったためです。しかし結果的にはそれに成功したとは言えません。Jonathanのブログは、多数の熱心な読者を社外で獲得しましたが、社内においても熱心に読まれたかと言えば、そうでもありません。それは日本だけでなく、他の国でもそうであるように思われます。

例えば、こんなことがありました。OracleRed Hat のサポートを開始すると発表したときの Jonathan のコメントに"if you're looking for Sun's opinion on Oracle's decision to fork Red Hat,"というものがありますが、これを中国語版では"如果您想知道 SUN 是如何看待 Oracle 意图收购 Red Hat 这件事情的,"と翻訳しています。『收购』という単語は日本語では『買収』という意味なので、これだと OracleRed Hat を買収することになってしまいます。常識的にあり得ないことである上に大企業の CEO が言うようなことではありません。読んだ人はおかしいと思うはずです。誰も読まなかったか、読んでも大した注意を払わなかったのでしょう。

その後、Sun が Oracle に買収されることになったのは皮肉なことであるとしか言いようがありません。