OpenAM 9.5 がダウンロード可能になりました

OpenAM 9.5 がダウンロード出来るようになりました。warファイルだけならここから。ツールやSDKも含んだZIPファイルはここからダウンロードできます。初めてなら、ややこしいコマンドやSDKのことは忘れてwarファイルだけで良いと思います。

9.5 というのは基本的にバグフィックスのバージョンです。Sunから出ていた開発者向けのExpress版バイナリで報告されたバグを修正しています。どんなものが直っているかはリリースノートを見て下さい。

日本のユーザには、ロケールが日本語のままでもインストール出来るようになったのは大きな進歩です。え!日本語でインストール出来なかったの?と言われそうですが、今までは、実際、英語でインストールした後で日本語のロケールに変更して下さいとお願いしていました。Express版は開発者向けのビルドなので大目に見てねというスタンスです。でもこれではあんまりですよね。

内部的な話をすると、これはOpenSSOのバグではなく、OpenSSOが内蔵するOpenDSのバグに起因していました。OpenSSOがOpenDSを(Openばかりで分かり難い。。。)展開してインストールする際にOpenDSは自己署名付きの証明書を生成するのですが、これを外部コマンドを起動することによって行います。ちゃんと出来たかはそのコマンドが返す文字列をチェックします。このとき英語以外が返ってくると、「分かりません」と言ってエラーにしてしまいます。(これもあんまりだ。)

新しいOpenAM9.5では、最新のOpenDS 2.3 を内蔵するようになりました。OpenDS 2.3 では上記のバグが直っています。そのためOpenAMでもロケールを日本語にしたままでインストール出来るようになりました。めでたし、めでたしです。ちなみにOpenDS 2.3 は最新版が6月16日に出ています。地道に改良してくれているのに感謝です。

まもなくOpenAM 9.5 がリリースされます

OpenAMはOpenSSOの新しい名前です。

以前、Sun からはOpenSSO Expressというバイナリが提供されていました。これは開発者の方々にOpenSSOの新しい機能を取り込んでシステムを構築して貰うことを目的としていました。実際に多くのプロジェクトがExpress版を採用し、開発や検証が進んでいます。しかし、ここで困ったことが起きました。いつまで経っても安定化版が出てこないのです。企業側にもそれぞれ事情があり、仕方がないことかもしれませんが、プロジェクトを進める側としてもそれまでの投資が無駄になってしまうのは大きな痛手です。

基本的に、Express版は新規機能を試すためのもので、パッチを出すことは想定していませんでした。しかし、上記のようなお客様のために早急に運用に耐える品質を備えたバージョンが必要で、急遽、これまでに報告のあった障害をまとめて修正し、9.5というバージョンを作ることになりました。9.5という中途半端な番号はそのためです。

まもなくForgeRockのサイトからダウンロード可能になるはずです。お楽しみに。

体重の増加に気をつけましょう

もうどの会社も健康診断が終わった頃ですね。弊社も先月終わりました。

以前勤めていた会社の健康診断で実際にあったことです。

同僚が健康診断の結果を見て笑い転げています。見せてもらうと、所見の欄に「体重の増加に気をつけましょう」と書いてあります。その同僚はどう見ても痩せ過ぎで、そんな所見になるのが分かりません。聞いてみると、去年は健康診断をさぼったとのことです。プログラムを書いたことのある人ならすぐ気がつくと思いますが、その健康診断のプログラムは、体重をゼロで初期化して、健康診断を受けないとそのままになるというロジックで動作しているようです。さらに、同僚は今年はまじめに健康診断を受けたため、去年の体重(0Kg)と今年の体重の差が極端に大きくなり上記の所見になったものと思われます。

健康診断の季節に、変数をゼロで初期化しているコードを見るとこの話を思い出して笑ってしまいます。

進捗なし

vSphereクライアントが"clients.xml ...解析できません"というようなエラーで起動できなくなりました。調べてみるとWindows Updateの影響であることが分かりました。他の人の対応を参考にして、vSphereクライアントを最新のものに更新したら、起動するようになりました。ついでにホスト側もアップデートしました。そうこうしているうちに一日が過ぎてしまいました。
海外との連絡もとれていません。これはワールドカップの影響でしょうか?イングランドアメリカが未だ勝てていないのが心配です。しばらくは仕事が手につかない人もいるのかな。

ForgeRockとの協業

私の勤めるオープンソース・ソリューション・テクノロジ(株)はForgeRockとの協業をすることになりました。ForgeRock 社はノルウェーに本社を置くオープンソース・ソフトウェアに特化したISVです。元サンのエグゼキュティブとエンジニアが作った会社で、北米および欧州各地に拠点があります。北欧に本社があり、社員は世界各地で仕事をするという点では、以前のMySQLとスタイルが似ているとも言えるかもしれません。最近はSimon Phipps(元サンの最高オープンソース責任者)が加わったというニュースが話題になりました。彼のブログには ForgeRock だけでなくオープンソース・ソフトウェアに関する興味深い記事が多く掲載されています。

エンジニアはサンでOpenSSOを開発していた人々が中心になっています。現在は、サンが開発したOpenSSOを引き継ぐかたちでOpenAMという名前のプロジェクトを立ち上げ、コミュニティーベースで開発を進めてします。オープンソース・ソリューション・テクノロジ(株)は、これに協力します。今まで、別々に行われていた改良や改修が一本化されるため、コミュニティに対しても良いことであるはずです。

ForgeRock社は、オープンソースでビジネスを行う上でも学ぶべき点があります。今後、それらについて順次紹介して行く予定です。お楽しみに!

Oracle が Ret Hat を買収する?

Sun Microsystems の Jonathan Schwartz はブログを書くCEOとして知られていました。ブログは、全世界の人々にSun のCEOとしての彼の考えを伝えるためのものでしたが、それだけではなく、自社の従業員を重要な読者として想定していました。当時 Sun はオープン・ソース・コード戦略に向けて大きく舵を切っている時期にあり、その船長の考え方を全世界の従業員に知らせることが非常に重要であったためです。しかし結果的にはそれに成功したとは言えません。Jonathanのブログは、多数の熱心な読者を社外で獲得しましたが、社内においても熱心に読まれたかと言えば、そうでもありません。それは日本だけでなく、他の国でもそうであるように思われます。

例えば、こんなことがありました。OracleRed Hat のサポートを開始すると発表したときの Jonathan のコメントに"if you're looking for Sun's opinion on Oracle's decision to fork Red Hat,"というものがありますが、これを中国語版では"如果您想知道 SUN 是如何看待 Oracle 意图收购 Red Hat 这件事情的,"と翻訳しています。『收购』という単語は日本語では『買収』という意味なので、これだと OracleRed Hat を買収することになってしまいます。常識的にあり得ないことである上に大企業の CEO が言うようなことではありません。読んだ人はおかしいと思うはずです。誰も読まなかったか、読んでも大した注意を払わなかったのでしょう。

その後、Sun が Oracle に買収されることになったのは皮肉なことであるとしか言いようがありません。

海兵隊とOpenSSO

もう一年以上前になりますが、海兵隊OpenSSOが採用されたというニュースがありました。きみまささんのブログにも記事があります。

規模が40万人と大きく、高いセキュリティも必要になるはずなので、興味を持って読みました。どんなアーキテクチャでどんな技術を使って構築しているか知りたいと思いました。知人に聞いてみましたが詳しくは知りません。もちろん関係者は守秘義務があるので、教えてくれないはずです。

このような場合は、求人募集のサイトが、多少ですが、役に立ちます。どんな技術を持ったエンジニアをいつ必要としているかが分かれば、プロジェクトの概要を掴むことが可能です。こうした観点で求人サイトをしばらく見ていました。最初の頃は、かなりの期間にわたってOpenSSOの知識を持ったアーキテクトを募集していたので心配していました。(誰もなる人がなかったのでしょうか?)しかし、最近は、OpenSSO 開発者からシステム管理者へ募集の対象が変わりつつあり、良い兆候のように見えます。もう一息というところかもしれません。ぜひ成功させて欲しいと思います。

あと心配なことは、OracleOpenSSOを非戦略的な製品と分類し、重点投資を止めてしまったことです。規模が大きいだけに、将来に向けてのロード・マップが描けないというのは困るはずです。せっかく作ったので、他人事ながら心配です。